現代魔法研究会

TRPG動画用のやつです

【ハウスルール】調査フェイズ

このハウスルールはEpi.1 Act.04から行われる調査フェイズに関するものです。

◆概要
 本ルールはセッション中に行われる情報調査を簡略化し、PLに対し情報とルールを明確化し、またセッションに対しデータ的なゲーム要素を付与するものだ。このルールによってゲーム中に展開する情報収集を行う場面を「調査フェイズ」と呼ぶ。
 調査フェイズではPLはKPから提示される「調査項目」に対し「調査判定」を行うことで事件を調査しシナリオを進行する。


◆調査フェイズの進行
 調査フェイズはラウンド管理によって進行する。1ラウンドあたりの時間はKPが自由に決定する。またKPの許可があれば1ラウンドあたりの時間を変更してもよい。

 KPは調査フェイズの最初にPLに対し制限ラウンドと調査項目を公開する。制限ラウンドは調査フェイズの制限時間を表す。探索者はそれぞれアクションとして1ラウンドに1回の調査判定が行える。つまり制限ラウンドが4ラウンドの場合、それぞれが4回ずつ調査判定を行うことができる。
 調査フェイズは調査判定、ドラマシーン、スポットシーンによって構成される。

・調査判定
 KPから提示された調査項目に対しロールを行い、情報調査を行う。
・ドラマシーン
 探索者が事件を調査するロールプレイを行うシーン。ロールは基本的に発生しない。
・スポットシーン
 特殊な状況の調査やシナリオの大きな展開を行うシーン。ロールは基本的に発生する。

◆調査判定
 調査項目に対し、探索者はそれぞれ1ラウンドにつき1回のロールが行える。ロールに成功した場合、その調査項目が持つ情報を表すクローズデータを公開することができる。これを調査判定と呼ぶ。調査判定はアクションとして扱う。
 調査判定に成功した場合、クローズデータを公開した後にドラマシーンを行う。
 調査判定によるロールの結果がスペシャルの場合、同じラウンドでさらに別の調査項目へのロールを行うことができる。連続してスペシャルし続けた場合、その分だけ調査判定を行い続けることができる。

◆調査項目
 調査フェイズにおいて提示される事件の情報を表す。指定された技能での調査判定に成功した場合、設定された情報などが公開される。
 調査項目は最初から公開されているオープンデータと調査判定に成功した場合に公開されるクローズデータによって構成される。

▼オープンデータ
・項目名
 調査項目のタイトル。何について調査するか、どのような情報が手に入るかを表す。
・指定技能
 探索者がロールに成功しなければいけない技能。複数の技能が指定される。
 ここに指定された技能のロールに成功するとクローズデータを全て公開することができる。
 また【情報カテゴリ】や、特定の探索者に対し補正を持つ場合もある。
・情報ランク:X
 調査項目の難易度を表す。重要な情報や調査が困難な場合に設定され、クローズデータを公開するためには複数回の調査判定に成功しなければならない。Xには2以上の数を設定する。
 クローズデータを公開するためにはXに指定された回数の調査判定に成功しなければならない。調査判定に成功するごとにXは1ずつ減少していく。Xが0になった場合、クローズデータを公開する。【情報ランク:2以上】を持つ調査項目に対する調査判定でスペシャルが出た場合、他の調査項目への再挑戦は行えない代わりに、その調査項目に2回調査判定を成功したものとして扱いXを2減少させる。

▼クローズデー
 調査判定に成功した場合に開示される情報。調査判定に成功した場合、KPはその調査項目のクローズデータを全て公開する。
・情報内容
 ロールに成功した場合に手に入る情報。これを元にドラマシーンを行う。
・ボーナス
 ロールに成功した場合に手に入るボーナス。他のロールの成功率が増加する、特定のアイテムを得られるなど。
・ペナルティ
 調査フェイズの終了までロールに成功しなかった場合に発生するペナルティ。以後のシナリオ展開に不利になる。他のロールの成功率が減少する、敵NPCが強化されるなど。

◆ドラマシーン
 調査フェイズにおけるセッションのロールプレイを担当するシーン。このシーンは調査判定に成功したときの他、KPの許可を得て任意に発生させることができる。
 調査判定によって公開されたクローズデータを元に探索者はロールプレイを行う。どのようにして情報を得たのか、その結果どうなったのかを調査項目を元に演出する。このとき探索者は実際に調査する必要はなく、例えば「既に知っていることを回想する」あるいは「他の探索者に説明する・説明される」などといったことを行ってもよい。「偶然目にした・耳にした」ということでも構わない。結果的にストーリー上で情報が公開されていればいいのだ。もちろん探索者はシーン内に自由に登場していい。
 このときクローズデータに記述されているボーナスやトラップ(後述)に対してもドラマシーンの演出で言及するのがいいだろう。

▼自由な演出
 ドラマシーンでは基本的にロールは発生せず、自由にドラマを演出することができる。たとえば戦闘を伴うようなシーンでも実際の戦闘ラウンドは行わずに進行し、それによって耐久力が減るようなこともない。ドラマシーンの目的は戦闘ではなく探索者のロールプレイとストーリーの進行であるためだ。
 ただし雰囲気を損なうようなものや以後のシナリオ展開に干渉するものは慎まなければならない。ルールの上では自由だからといってもクトゥルフを倒すことはできないと考えるべきだ。そのような演出を行ってしまえばゲーム本来の目的から大きく外れてしまう。KPはそのような演出がされたとき、まずPLに警告すること。
 また調査判定を伴わなくてもKPの許可を得ればドラマシーンを行うことができる。しかしそれによって調査項目に対するロールが不要になることもなければ、ラウンドが進行することもなく、アクションとしても数えない。調査フェイズの進行上はメリットもデメリットもない。

◆スポットシーン
 特定の条件によって発生する重要なシーン。重要な場面などを重点的に調査する場合やシナリオが急展開を迎える場合などがある。スポットシーンはPLが任意で発生させられるものと特定のタイミングで強制的に発生するものがある。
 スポットシーンは通常のシナリオと同じように展開する。つまり特定の地点や状況での調査を行い、シーン内で複数回のロールやイベントが発生する。当然、戦闘ラウンドが発生する場合もある。
 スポットシーンを行う場合は基本的にスポットシーン内の時間経過等によって調査フェイズのラウンドが進行することはなく、調査フェイズにおけるアクションとしても数えない。

◆他のアクション
 探索者は1ラウンドにつき1回のアクションが行え、調査判定を行う代わりに〈応急手当〉や〈精神分析〉などを試みることもできる。

◆調査フェイズの終了条件
 制限ラウンドで指定されたラウンドが終了するか、全ての調査項目とスポットシーンを完了すると調査ラウンドは終了する。

◆拡張ルール
▼調査項目の追加データ
・制限
 調査項目のオープンデータに設定する。探索者の調査に対する制限を表す。例として「特定の探索者のみロールできる」や「1ラウンドに1回しかロールに挑戦できない」など。
・トリガー
 調査項目のクローズデータに設定する。調査を行ったことで発生する新しい展開を表す。
 特定のスポットシーンを発生させることができるようになったり、新たな調査項目が公開されるなど。またスポットシーンが強制的に発生する場合もある。
・トラップ
 調査項目のクローズデータに設定する。情報内容が公開されたことによって発生するトラブルを表す。
 クローズデータが公開されたときにトラップに設定された内容のペナルティが発生する。例えば正気度ロールやダメージを受けたり、次の調査判定の成功率に対してマイナスの補正が掛かったりするなど。

▼調査項目の非公開と「公開条件」
 調査フェイズの最初に調査項目を公開する際、特定の調査項目そのものを公開せずにおくことができる。その場合、その調査項目には「公開条件」を設定する。公開条件はその調査項目のオープンデータとして扱うが、その調査項目が公開されるまでPLには公開されずKPが管理する。
 公開条件は非公開の調査項目が公開される条件を表す。これは特定のトリガーが公開された場合やスポットシーンを行った場合、あるいは設定されたラウンドが経過するなどを設定し、条件を満たしたときにKPは新たに調査項目を公開する。

▼調査支援
 調査フェイズ中、探索者は調査判定を行う代わりに他の探索者の調査判定を補助する調査支援を行える。
 調査支援を行う場合、支援の対象となる探索者1人を指定する。その後、〈アイデア〉〈幸運〉〈知識〉のいずれかに成功すると、対象が次に行う調査判定の成功率を20%増加させることができる。この効果は1度しか発揮されず対象が調査判定を行うと失われるが、複数の調査支援が同じ対象に行われた場合効果は累積する。二人の探索者が同じ対象に調査支援を行った場合、対象の調査判定は1度だけ+40%される。
 調査支援を行う際、既に調査フェイズ中に調査支援に使用した技能は使えない。つまり〈アイデア〉〈幸運〉〈知識〉それぞれのロールが1度ずつ行え、合計で3回まで調査支援を試みることができる。ロールに失敗したとしても同じ技能で調査支援を試みることはできない。
 なお自身に対しても調査支援を行うことができる。調査支援はアクションとして扱う。

◆免責事項
 ルールの公開にあたりデザインの調整を行っていますが、もしもこのハウスルールをあなたのシナリオで使用する場合はバランスや進行をよく考えて調査フェイズを設計してください。
 このルールを使用した結果、何らかのトラブルが発生しても筆者は責任を負いかねます。このルールの使用とシナリオでの設計を行ったのはあなた自身です。

 もしも上手く行ったら私に自慢してください。喜びます。
 あと改良点とか追加要素とか、面白いの思いついたら教えてください。
◆他のアクション
 探索者は1ラウンドにつき1回のアクションが行え、調査判定を行う代わりに〈応急手当〉や〈精神分析〉などを試みることもできる。