現代魔法研究会

TRPG動画用のやつです

「吸血鬼姉妹のクトゥルフ怪奇探索録」の裏話とか(6)

■Part11


◆冒頭語り
重いシーン、驚愕の事実。動画冒頭のテンションアップも含めて。
「海溝の遙か彼方にある異形の竜宮」はルルイエ=九頭竜の宮殿の暗喩。
「祈るかのように天に向け」は個人的にお気に入りのフレーズ。

この辺にもちょくちょく暗喩や伏線を張っています。

◆正気度ロール
完全にダブクロの衝動判定。
「本能が、魂が、悲鳴を上げる」はよく使う表現です。

◆発狂
このゲーム発狂してなんぼだと思ってます。
発狂時の処理がいくつもあるので多少雑多ではあるのだけど、これがなければCoCは始まらない。
「狂人の洞察力」は〈クトゥルフ神話〉と同等として扱っています。

◆オリジナルD100ランダム狂気表
〔00〕の心臓発作の処理は以下の通り。
「この狂気を発症したキャラクターは、アクションが行えず気絶状態となる。発狂した次のラウンドの終了時、《心臓停止》を受けたのと同等の処理を行う。他のキャラクターが〈医学〉〈応急手当〉〈精神分析〉に成功した場合、この狂気は即座に無効化され気絶状態は回復する。」
別に即死するわけではありません。

◆フランシスの発狂
こいつ映画好きとか漫画好きとか、ただのサブカルオタクじゃないんだろうか。
ここで行動不可に加えて相手の攻撃自動成功と言っているのに……と。

◆小泉失踪
勝人のSPが削れていないのでと狙い撃ちにしたけど不公平だったなあと反省。

◆ハレの初動攻撃
戦闘ラウンド外処理。ダメージが1D4だとPLに見せるため。動画的には早苗の判断材料になるように。
魔理沙も脳内で即死圏内ではないと計算しています。ここでは複数回攻撃があり得るということを分かってないけど。

◆早苗の判断
なんだかんだ言ってるけど最終的に「感覚感覚!」で落ち着いてる。
こいつ色々考えてるようで案外と何も考えてません。

◆勝人のファンブル
発狂同等と扱って相手の攻撃自動成功としてるけど以下略。

◆目を閉じる
何も行動できないというのでロールさせたけど、実質無意味なロール。
目を閉じた程度では神話生物の狂気から逃れることはできません。ルルブにもそう書いてある。

◆ハレの攻撃
この攻撃のデータは「ダメージ1D4、成功率15%、2D8回攻撃」です。
これどういうことかというと、ハレが発狂しているため「未照準」ルールが適用されています(P69)。
なのでランダムターゲットも「誰に攻撃するか」ではなく「誰が命中してしまったか」という形で処理。そのため回避行動不可であっても、そもそも狙われていないため自動成功ではなかったんです。
早苗はそこに違和感を得て、クトーニアンのステータスから逆算して未照準が適用されていることに気付いています。

◆正気度攻撃
正気度ロールを行わず確定で減らす。小さめに刻んでいくと徐々に少なくなっていっていい感じです。
同じSPが減るのもバリエーションを取り入れると飽きません。
もちろんこの次のラウンドに〈精神分析〉に成功していなければ、ラウンド終了時に同様の処理が発生しています。

◆ハレの叫び
最初からこのシナリオは人外ヒロインとのボーイミーツガールジュブナイル
PLの思考に対して裏切りの二重掛けで一気にモチベーションと好感度を稼ぐ。
ここからの勝人成功の流れが綺麗に展開したのが動画を作る切っ掛けにもなりました。
基礎値20%だと低く感じるかもしれませんが、フランシスのクリティカルボーナスがない状態での3人合計での成功率61.6%、2ラウンドだとおよそ85%です。ボーナス込みだと71.2%、2ラウンドでおよそ91.7%。この辺は確率のマジック。

◆君の声は必ず届く
結果から入るとロールプレイしやすい。着地点が見えているので負けフラグを立ててからの逆転という展開が見込めるので。
茶番と言うなかれ。これがカッコイイのだ。
盛り上がりどころなので全員でーというのも結構重要。

◆広川夕子
伏線回収ポイントがなかったため広川周りの情報がない状態でクライマックス前の真相開示パートに突入。
やっぱり魔道書は出ると盛り上がる。


■Part12


◆休憩&相談パート
セッション内での主役は勝人だけど動画の主人公はフランとレミリア
PC1ポジションが似合うからという意味でPLに魔理沙をチョイスしたところもあります。

◆早苗の解説
シナリオ背景を読み解くのもPLの楽しみの一つ。シナリオを作るときはしっかり意識しながらやるといいです。
箇条書きしながら纏めるのは情報整理に有効です。
シナリオの先読みについてはPLとシナリオの共通認識ができているということなので、実は推奨されるものだったりします。問題となるのはそこからシナリオ展開の裏を掻こうとしてゲームそのものを破綻させる行為。
余談ですが魔理沙の口癖も設定してて、「つまりさ」をちょくちょく使います。ダジャレ。

◆副音声
フラン「絶対ゆるさなえ」

◆そのときだ
もう揚げ足取ってるのを隠そうともしてない。

◆ハレの目
感情によって色が変わります。元ネタにはないしそもそもクトーニアンには目がないのでオリジナル要素。
あざとかわいい。

◆行方不明事件
前にも書きましたが図書室に行けばこの情報が拾えた。ただし犯人を特定することは不可能。

◆心理学
スクリーンロールかつファンブル率5%だと〈心理学〉はロールしたがらない。
ので、ファンブルは通常通り00のみ、〈心理学〉はオープンでPLに振ってもらうというのがいいかと。

◆オコマリ?
ハレの喋り方は「黒藻の獣」(境界線上のホライゾン)や「草の獣」(終わりのクロニクル)をイメージ。かわいい。

◆回復
《EMERGENCY RECOVERY》(緊急回復)というオリジナル呪文。対象に2D6ポイントの耐久力回復。自分も対象にできる。
これとトイレで守彦を攻撃した《PSYCHO WAVE》(思念の波動)という攻撃がハレの持つ呪文。
どちらもMPコストが高いため乱発できない。
「ハレちゃんマジ蟲神(てんし)」という元ネタに掛けたシャレ。

◆地下の流星による占星術
異質感を出すためにあえて直訳風に。
レミリアが言っている「ちょうどいい魔道書」というのは《被害をそらす》と《ろうそく交信》が載ってるものという意味。
著者のバートランドホールデンはちょうどチョコレートを食べながら考えてたのでバンホーテンをもじって。
記述を考えるの結構楽しかった。クトーニアンは全て雌性体なので“彼女”という記述。ここで登場しているのは一応シュド=メルというつもり。

◆広川のノート
料理のレシピは全て肉料理、買い物メモには「何にでも使いそうな食材」以外はニンニクと生姜が少しだけ目立つ。臭い消し。
DVDリストの映画はどれもカニバリズムを扱うタイトル。ラインナップは以下の通り。

レッド・ドラゴントマス・ハリス/2002)
『最後の晩餐 The Last Supper』福谷修/2004)
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師ティム・バートン/2007)、

スウィーニー・トッド』は公開当時にデートで見に行きました。今考えるとどういうチョイスだよと。
……彼女がティム・バートンジョニー・デップ好きだったんです。ホラー映画も得意だったし。

占星術」の記述にあったホールデンが“黒い風の戦士”から彼の妹を「振る舞われそうになった」という記述は、つまりそういう意味です。

◆メモ
リバースハンドアウトという手法。
乱発すると面倒なのでタイミングは見計らう必要がありますが上手く刺されば効果的に働きます。


■Part13


◆時間経過ギミック
作ったはいいけど踏み倒された。まれによくある。
〈武術(剣道)〉と同じく、使わない可能性のあるギミックやデータは使われる場合と使われない場合を両方考えておく必要があります。
その要素を使いたいのであれば、使われないパターンが起こらないようにシナリオに組み込めばいい話。
なのでこういう場面が起こったときは「せっかく作ったのに~」とお互いに考えなくていいです。PLが自発的に乗ってくれるのは有り難いけど気にしなくていいのよ。

バックアタック
もしこういったシナリオ外戦略を行いたい場合はまずKPに相談。
魔理沙はこの辺がまだ分かってないので早苗が繋いでKPに聞いてます。PL側の早苗が「賛成ですが……」とKPに処理の難しさを配慮する動きをしているので、魔理沙も却下されたとしても仕方ないと納得できる。
モデルが私の母校だったから即座に間取りが出てきましたが、オリジナル空間だとこういう展開は難しかったりします。

ルールのところでも書きましたが、お互いの認識を共有しておかなければ立ち行かないシステムです。その場で却下されても困るわけだし、事前に確認・相談を行えば「落胆=面白くない」にならないで済む。
ここでの提案の目的は有利展開を得ることなので、KPとしても有利が得られるように考えられるわけです。

◆不安定な永目
不定の狂気:感情の噴出(殺意)】。
一時的狂気は治まっているものの不定は継続。このあとの広川との会話でトリガーを引きます。

◆広川の独り言
ニャルラトテップと電話(ろうそく交信)中。
アンタの教え子ぶっ殺せばクリアだよーと言われての反応。

サバゲーがこんなところで役に立つとは
うp主もサバゲー趣味って設定がここで回収できるとは思わなかった(何も考えずにキャラ紹介のときに言わせてた)。

◆オトコノコの友情
ホモォ……。
最初はフランシスを取り合ってたのに最終的に守×勝に。どうしてこうなった。
少し意識してホモホモしく書いてます。本人達はその気はない。
勝人は総受け。

◆呪文
長い呪文ってカッコイイよね(中二病)。
「流転(まわ)れ十七天(トラペゾヘドロン)、夜空に正しく配されるよう」のフレーズはクトゥルフ系呪文の枕詞として動画内で使われます。カッコウの冒頭でも勝人が使ってた。
「いあ いあ にょぐさ ばどぅるしゃむ やあな るんぐ」は「おお、湧き上がるもの、暗がりの主ニョグタよ」という意味。勝手に作ったし訳は今適当に考えた。
詠唱文句で《ニョグタのわしづかみ》だと分かるようにしてるつもり。

◆戦闘突入
最初の早苗の突入宣言以後、プレイヤーの発言なし。レミリアも描写ナレーションだけになっている。
もう戦闘は描写だけでいいよね。宣言とかちんたらやってるとテンポ悪くなるって見せたし。

《わしづかみ》発動で音楽が変わってからは描写手法が完全にlightのそれ。
ヒットポイントのレートが小さいため低く感じるかもしれないけど、ダメージが1点だろうと、それは死に繋がる1点。

◆石剣を切り上げる
勝人の一撃を逸らしたのは《被害をそらす》、触媒は[黒曜石のナイフ]、発動条件は「切り払い」。
「掛かる災禍を利剣もて切り払わん」という魔術霊装です。直接の威力はないけど攻撃そのものを切り払うというもの。
黒曜石のナイフは古代アステカで生贄儀式に使われていたもの。人を掻っ捌くためのものです。あっちにも宗教的カニバリズムがありましたということでのチョイス。

◆アイデアクトゥルフ神話
クリティカルで〈クトゥルフ神話〉成功扱いに変更。
視聴者に〈クトゥルフ神話〉の使い方を見せるという意味が強い。結果出てくる情報は同じ。
黒曜石のナイフについてはシナリオギミックで、これを排除しなければ勝てないような作りになっている。条件を満たしたため続くPOWロールが派生する。

◆ハレの加勢
一度戦闘して窮地から助け出したヒロインが味方で参戦。胸熱展開。ベタだけどこれがええんや。
動画ではダイスロール周りで少しミスってますがデータ処理上は正しく行われています。
NPCなのでダメージは発生せず、ディスアームだけ行っています。

◆わしづかみ→ハレ
狭い部屋でハレの巨体がのたうち回ると……という特殊攻撃。ボスの必殺技に相当する。
味方キャラクターを洗脳して攻撃させる行為に近く、ハレを武器にして攻撃してくるというヘイトをガツンと稼ぐ攻撃。PLの殺意も最高潮に。
PL全員が最初に打ち合わせていた殺さずに捕縛するという目標がどこかに吹き飛び広川への殺意で一色になる。

その結果、PLの意図のままに広川を殺害する。